時間外勤務承認書テンプレート8選!記載事項・運用法も解説

時間外勤務承認書テンプレート8選!記載事項・運用法も解説

労働時間の適正化に向けて残業を申請制にする企業が増えてきました。
以前から残業を申請制にしている企業は見受けられますが、それ以上に普及してきている状況です。これから導入したいと考えている方も多いのではないでしょうか。

このように事前に申請してもらうためには、時間外勤務申請書の整備が求められます。
今回は、時間外勤務申請書とはどのような書類であるかや、具体的な記載事項とテンプレート運用時の注意点などを解説します。

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時間外勤務承認書とは

時間外勤務承認書は、時間外勤務に従事する際、事前に提出しておく承認に向けた依頼書です。
企業によっては、時間外勤務を本人の判断で実施できることがあります。
しかし、一般的には管理者が状況を確認して必要と判断した際に、時間外勤務をさせなければなりません。
本人側から時間外勤務が必要と判断したならば時間外勤務承認書を提出してもらい、管理者がこれを承認するという仕組みです。
文書として提出してもらうことによって、本当に必要な時間外勤務であるかどうかを判断したり、具体的な勤務時間を明確にしたりできます。

ただし、注意点として、時間外勤務承認書を利用するためには、残業の事前申請が求められる企業であることが前提です。
本人の裁量で時間外勤務できるような状況では、時間外勤務承認書は役に立ちません。

時間外勤務承認書は法的な義務ではない

時間外勤務の申請は、法律で義務づけられたものではありません。
制度を導入していない場合、時間外勤務申請書を作成していなくても罰則はなく心配しなくてもよいでしょう。
また、事前に申請する制度を導入していても、時間外勤務承認書を導入しないことは考えられます。
労使協定の締結および労働基準監督署への届け出を済ませているならば、その範囲内で法律に基づいて時間外勤務させることが可能です。
これに申請が必要かどうかの法的な根拠はありません。

ただ、近年は時間外勤務の時間を厳密に管理することが求められています。
また、長時間労働によって、各種疾患に罹患してしまうことも懸念されるようになりました。
そのため、原則として時間外労働をさせないか時間外労務を適正に管理するための制度として、時間外勤務承認書などを導入することが望ましいでしょう。
場合によっては、上長の判断で残業を拒否して、勤務を終了させる必要があります。

時間外勤務承認書は3年間の保存が義務

労働基準法109条および143条において、労働関係に関する重要な書類は3年間保存することが義務付けられています。
もし、時間外勤務承認書を作成する場合、これに該当するため3年間保存しなければなりません。
また、給与債権の時効という観点からも管理する必要があり、この場合は5年間保存する義務があります。
例えば、残業代の未払い問題などが発生した場合、保存していないと企業側が不利になりかねない資料です。

なお、労働基準法には罰則があり、3年間の保存義務に違反すると30万円以下の罰金が科せられます。
適切に管理しておらず、一部を紛失するなども同様であるため、ファイリングしたり電子化したりして適切に管理することを心がけましょう。
また、労働基準監督署による調査の際に提出を求められることがありえます。
その観点でも、整理していつでも提示できる状態にしておくことが望ましいです。

時間外勤務承認書に必要な事項

時間外勤務承認書に必要な事項は法律で定められているわけではありません。
企業によってカスタマイズできますが、一般的に必要な事項は以下のとおりです。

  • 申請者
  • 申請日
  • 残業予定時間
  • 残業内容/残業理由
  • 申請者の押印
  • 上長の押印
  • 承認・非承認の理由
  • 実際の残業時間とその内容
  • 最終的な上長の確認結果

主に時間外勤務を実施する前に利用する事項ですが、労働の結果を残すケースもあります。
そのため、実際の残業時間などを記載できるようにしておくと良いでしょう。
また、その場合は最終結果を上長が確認したかどうか判断できる事項も設けるべきです。

おすすめの時間外勤務承認書テンプレート

続いては、実際に時間外勤務承認書を導入したい方へ向けて、すぐに利用できるテンプレートを紹介します。

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社会保険労務士 杉原事務所

引用:社会保険労務士 杉原事務所

社会保険労務士 杉原事務所は、労務トラブルや補助金の申請代行などの業務を取り扱う事務所です。

利用者へサポートを提供するだけでなく、自由に使えるテンプレートを公開しています。

時間外勤務のみならず、採用や通勤に関連するものなど多く存在するため、活用してみましょう。

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引用:社会保険労務士法人C・プレイス

社会保険労務士法人C・プレイスは、社会保険に関する業務のアウトソーシングやコンサルティングに対応する法人です。

書式やリーフレットの公開に力を入れていて、その中に時間外勤務承認書が含まれています。

出勤簿など関連するテンプレートも公開されているため、併せて活用できます。

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引用:労務ドットコム

労務ドットコムは、社会保険労務士法人名南経営と株式会社名南経営コンサルティングが運営する労務についての情報サイトです。

法改正など幅広い情報が掲載されていて、労務担当者であれば知っておきたい情報が多くまとめられています。

また、テンプレートも掲載されているため、これをダウンロードして業務に活かすことが可能です。

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引用:bizocean

bizoceanは、ビジネスで利用できる幅広いテンプレートの紹介サイトです。

時間外勤務承認書など勤務に関するものだけではなく、ビジネスで必要なものが数多く揃っています。

ビジネスに役立つ「お役立ち資料」も掲載されているため、目を通してみると役立つものがあるかもしれません。

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引用:日本の人事部

日本の人事部は、人材採用や育成などのナレッジコミュニティです。

担当者が活用できるサービスやセミナーの紹介、各種書類の書式などが掲載されています。

時間外勤務承認書のテンプレートも掲載されているため、活用してみましょう。

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引用:design AC

design ACは各種デザインのテンプレートを無料でダウンロードできるWebサイトです。

チラシやパワーポイントなどのテンプレートを利用する機会が多いかもしれませんが、時間外勤務承認書など文章のテンプレートも用意されています。

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引用:マネーフォワード クラウド給与

マネーフォワード クラウド給与は、クラウドで給与計算ができるサービスです。

基本的には給与の算出に利用しますが、各種テンプレートやお役立ち情報もまとめられています。

ダウンロードの際には企業情報の入力などが必要となるため、念の為に考慮しておきましょう。

時間外勤務承認書の運用方法

時間外勤務承認書の運用方法を一例として解説していきます。

事前申請制度の検討

最初に事前申請制度を導入するかどうか検討が必要です。
事前に制度が整っていなければテンプレートを準備しても活用できません。
どのように運用していくかも含めて、経営陣や管理職などによる検討が必要です。
働き方に関わる部分であるため、業務への影響度合いなども評価しておきましょう。

社内規定の改正とテンプレートの整備

残業に事前申請が必要となっていたならば、社内規定の改正が必要です。
会社内のルールは就業規則に掲載することが一般的であるため、関連する部分を改定します。
また、就業規則とは別に残業に関する定めがあるならば、それを改定しておきましょう。
同時に申請書のテンプレートも用意しておきます。

制度の導入と関係者への周知

社内の規則やテンプレートの準備が完了したならば、実際に制度を導入します。
導入までの期間が短いとトラブルが起きる可能性が高まるため、可能な限り時間に余裕を持って周知すべきです。
また、具体的にどのテンプレートで申請する制度になるかも示しておくと、スムーズに制度を開始できるでしょう。

テンプレートを利用した申請の義務化

周知した日時を迎えたならば、実際に時間外勤務承認書を活用した制度を開始します。
最初はトラブルが起きることもありますが、徐々に落ち着くはずです。

時間外勤務承認書を活用する際の注意点

テンプレートさえあれば、制度を導入できます。
ただし、運用にあたっては注意点があるため、その点も押さえておきましょう。

事前に制度を設けて周知する

上記でも触れたとおり、事前に制度などを整えて周知することが重要です。
テンプレートだけを用意しても、制度が整備されていなければ運用することは不可能です。
関連法を踏まえてまずは制度を整備しましょう。

その後に周知する際は、全社メールや社内ポータルへの掲示など、従業員の目につきやすい方法で展開すべきです。
また、総務部から管理職へ展開し、部下へ連携してもらうなどの方法も考えられます。

申請のフローを徹底する

残業する際には、時間外勤務承認書を使用して申請のフローを徹底させましょう。
残業しているにもかかわらず、申請していない人がいると制度そのものが形骸化する原因となりかねません。
また、労働時間を把握するという観点でも、対象者には申請を徹底させるべきです。

同時に、管理職など申請を受け付ける側が素早く処理するなど、対応を徹底させます。

申請のない残業を把握できるように心がける

従業員の勤務状況を確認し、時間外勤務承認書を提出していない残業がないか把握する作業が必要です。
申請したり承認を受けたりすることなく残業しているならば、上長から指導することが求められます。
時間外勤務承認書を提出するという制度が設けられている限り、従業員は個人の判断で残業できません。

ただ、制度を理解していないなど、悪意を持たずに残業しているケースも考えられます。
そのような状況をいち早く検知して、制度に沿った対応を取ってもらうようにしなければなりません。

まとめ

時間外勤務承認書は、時間外勤務を必要とする際に、事前に申請して承認をもらうための書式です。
法律で定められたものではありませんが、事前に申請してから時間外勤務に着手する制度を導入している場合に必要なものです。
具体的なフォーマットはなく、それぞれの企業が自分たちで作成しなければなりません。
今回は具体的なテンプレートを準備しているため、これを活用して制度の導入に役立ててください。