【令和5年度補正予算】省エネ補助金が拡充!機械・空調など幅広く使える!

【令和5年度補正予算】省エネ補助金が拡充!機械・空調など幅広く使える!

経営者に人気の省エネ補助金が拡充され、1次公募が開始されます。省エネ補助金は省エネ効果が高い空調・照明だけでなく、エネルギー源の電化や生産機械の取得なども補助対象です。

本記事では省エネ補助金の概要や活用ポイントについて解説します。

自社で使える助成金・補助金・優遇制度が分かる

目次

エネルギー費の削減や脱炭素設備に活かせる省エネ補助金3類型(旧D類型を除く)

経済産業省資源エネルギー庁は省エネ支援策パッケージを公表しました。

企業や家庭で取組む省エネ機器の導入や燃料転換を支援する『省エネ補助金』が拡充されています。

省エネ補助金の概要は次のとおりです。

  1. 工場事業場型:工場など事業場全体での省エネ設備の導入
  2. 電化・脱炭素燃転型(新設):電化や脱炭素を目的とする燃料転換設備の導入
  3. 設備単位型:省エネリストに掲載された対象設備への更新
  4. エネルギー需要最適化型:エネルギーマネジメントシステム機器の導入

上記のⅠからⅢについての概要は次のとおりです。

省エネ補助金の概要
【引用】令和5年度補正予算における省エネ支援策パッケージ|経済産業省

工場・事業場型(旧A・B類型)

工場などにおけるエネルギー消費効率がより高い設備への更新が対象の補助金です。省エネ効率によって、次の2種類があります。

(a)先進設備・システムの導入
(b)オーダーメイド型設備の導入

【新設】電化・脱炭素燃転型

化石燃料から電気への転換、より低炭素な燃料への転換などための燃料転換設備の導入が対象となる補助金です。

設備単位型(旧C類型)

あらかじめ認定された設備機器のリストから選定した設備や生産機械などの導入が対象です。

補助対象としては高効率空調、制御機能付きLED照明器具などのほか、工作機械やプレス機械などの生産設備も補助対象となります。

省エネ補助金(工場・事業場型)は事業場ごとが対象

省エネ補助金(工場・事業場型)は、生産ラインの更新など工場や事業場単位での省エネ設備導入を促進する補助金です。工場や事業場の単位とは『エネルギー管理を一体でおこなう事業所単位』とされています。

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省エネ補助金(工場・事業場型)の補助対象

省エネ補助金(工場・事業場型)は、導入設備の省エネ性などによって(a)先進設備・システムの導入と(b)オーダーメイド型設備の導入の2種類があります。

(a)先端設備・システムの導入
補助対象・認定された設備であること原油換算ベースで次のいずれかを満たすこと
・省エネ率+非化石割合増加率が30%以上
・省エネ料+非化石使用量が1,000kl以上
・エネルギー消費原単位改善率が15%以上 投資回収年数が5年以上であること
対象経費設備費、設計費、工事費
(b)オーダーメイド型の設備導入
補助対象・自社に合うよう設計・製造されたオーダーメイド型の設備であること原油換算ベースで次のいずれかを満たすこと
・省エネ率+非化石割合増加率が10%以上
・省エネ料+非化石使用量が700kl以上
・エネルギー消費原単位改善率が7%以上 投資回収年数が5年以上であること
対象経費設備費、設計費、工事費
【引用】省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金|環境共創イニシアチブ

省エネ補助金(工場・事業場型)補助率、補助上限額

省エネ補助金(工場・事業場型)の補助率は最大3分の1、補助上限額は最大40億円です。

(a)先端設備・システムの導入
補助率中小企業の場合、3分の2以内
補助上限額単年度の場合 年度あたり15億円(非化石転換は20億円)
複数年度の場合 補助対象全体で30億円(非化石転換は40億円)
補助下限額年度あたり100万円
(b)オーダーメイド型の設備導入
補助率中小企業の場合、2分の1以内 (投資回収年数7年未満の場合は3分の1以内)
補助上限額単年度の場合 年度あたり15億円(非化石転換は20億円)
複数年度の場合
補助対象全体で20億円(非化石転換は30億円)
補助下限額年度あたり100万円
【引用】省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金|環境共創イニシアチブ

【新設】省エネ補助金(電化・脱炭素燃転型)はエネルギー源の転換が対象

化石燃料から電気への転換、より低炭素な燃料への転換などための燃料転換設備の導入が対象となる補助金です。対象となる設備はあらかじめ認定された機器が対象となります。

省エネ補助金(電化・脱炭素燃転型)の補助対象

省エネ補助金(電化・脱炭素燃転型)の補助対象のイメージとして次の例があげられています。

省エネ補助金(電化・脱炭素燃転型)の補助対象

【引用】令和5年度補正予算における省エネ支援策パッケージ|経済産業省

補助対象となる設備は次のとおりです。

補助対象指定設備のうち電化や脱炭素目的の燃料転換を伴う設備
① 産業ヒートポンプ
② 業務用ヒートポンプ給湯器
③ 低炭素工業炉
④ 高効率コージェネレーション
⑤ 高性能ボイラ
上記に該当しない「そのほかSIIが認めた高性能な設備」のうち、電化・脱炭素燃転に資するとして指定した設備も対象
対象経費設備費(電化の場合は付帯設備を含む)
【引用】省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金|環境共創イニシアチブ

省エネ補助金(電化・脱炭素燃転型)補助率、補助上限額

省エネ補助金(電化・脱炭素燃転型)の補助率は2分の1以内、補助上限額は3億円です。

補助率2分の1以内
補助上限額補助対象全体で3億円(電化は5億円)
補助下限額補助対象全体で30万円
【引用】省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金|環境共創イニシアチブ

省エネ補助金(設備単位型)は空調機器・照明設備などをリストで選ぶ

あらかじめ認定された設備機器のリストから、設備や生産機械などを選択して導入する方法の補助金です。複数年度にわたる設備導入も補助対象となっています。

省エネ補助金(設備単位型)の補助対象

あらかじめ認定された設備機器のリストから選定した設備や生産機械などの導入が対象です。

補助対象補助対象設備として公表された指定設備が対象
(下記は主な例)
・高効率空調
・高性能ボイラ
・高効率コージェネレーション
・冷凍冷蔵設備
・制御機能付きLED照明器具
・工作機械
・プラスチック加工機械
・プレス機械
・印刷機械
・ダイカストマシン
上記に該当しない「そのほかSIIが認めた高性能な設備」として指定した設備も対象
対象経費設備費
【引用】省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金|環境共創イニシアチブ

省エネ補助金(設備単位型)補助率、補助上限額

省エネ補助金(設備単位型)の補助率は3分の1以内、補助上限額は1億円です。

補助率3分の1以内
補助上限額補助対象全体で1億円
補助下限額補助対象全体で30万円
【引用】省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金|環境共創イニシアチブ

建物のリフォームで省エネするときは『業務用建築物の脱炭素改修加速化事業』

省エネは設備だけでなく、建物の改修によっておこなうことも可能です。商業施設など既存の業務用建物を改修または省エネ機器の導入を支援する制度として、業務用建築物の脱炭素加速化事業があります。

対象は建物の外皮(断熱窓、断熱材)、業務用エアコンなどです。

建物のリフォームで省エネするときは『業務用建築物の脱炭素改修加速化事業』

【引用】令和5年度補正予算における省エネ支援策パッケージ|経済産業省

補助対象などは次のとおりです。

補助対象断熱窓、断熱材、高効率空調、 制御機能付きLED照明器具など
対象建築物事務所、ホテル、旅館、百貨店、飲食店、ボーリング場、カラオケボックスなど
申請単位建築基準法で定める1建築物を1事業とする 1企業(個人事業主含む)ごとに最大5件まで
補助率3分の1以内
補助上限額1事業あたり最大10億円
補助下限額1事業あたり500万円
公募期間2024年3月29日から2024年11月29日まで
【引用】令和5年度補正 業務用建築物の脱炭素改修加速化事業|環境共創イニシアチブ

自社で使える助成金・補助金・優遇制度が分かる

省エネ補助金の活用のポイント

省エネ補助金を受給するためには審査で採択され、交付決定を受ける必要があります。

省エネ診断で専門家のアドバイスと審査の加点を得られる

省エネ診断の審査においても加点措置(追加の評価)があります。

主な加点措置は次のとおりです。

  • 省エネルギー診断(2020年度以降)
  • 経営力向上計画に記載された事業
  • 経営革新計画の認定
  • 地域未来牽引企業としての認定

なかでも省エネルギー診断がおすすめであり、自社のエネルギーコストの測定や診断、空調機器や照明の設定値の最適化などのサポートを廉価に実施できるサービスです。

診断費用は3,850円から16,500円となっています。

省エネ診断で専門家のアドバイスと審査の加点を得られる
【引用】令和5年度補正予算における省エネ支援策パッケージ|経済産業省

【参考】省エネクイック診断|省エネクイック診断事務局

複数年にまたがる投資も対象

省エネ補助金の事業完了(補助対象経費の支払いの完了日)は、2025年1月31日までです。

補助対象経費が原則として5,000万円以上の申請については、複数年度にわたる事業として申請できます。

ただし、計画した工事の実績に応じた支払いは、該当年度内に完了させなければなりません。

【参考】令和5年度補正予算省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金 公募要領|環境共創イニシアチブ

公募期間は2024年3月下旬から4月下旬、交付決定は6月上旬の予測

省エネ補助金(1次公募)は2024年3月27日から4月22日17時です。

なお、2次公募は2024年5月下旬と予定されており、交付決定は6月下旬と予測されています。

経営力向上計画(加点措置)や経営強化税制(優遇税制)にも注目

省エネ補助金の加点措置は省エネ診断だけではありません。

そのほかの主な加点措置は次のとおりです。

  • 経営力向上計画に記載された事業
  • 経営革新計画の認定
  • 地域未来牽引企業としての認定

経営力向上計画は、コスト管理などのマネジメント力向上を図るための計画書を作成し、認定を受ける制度です。

認定によって中小企業経営強化税制による即時償却や税額控除などの税制優遇制度を利用するこができます。

地方公共団体の省エネ設備更新補助金も確認

地方公共団体によっては、独自に省エネ機器の導入に対する補助金制度を設けていることがあります。

主な例は次のとおりです。

  • 東京都 補助率3分の2、補助上限額2,500万円
  • 愛知県 補助率3分の1、補助上限額1,000万円

【参考】省エネ設備導入・運用改善支援事業リーフレット|東京都

【参考】省エネルギー設備等導入支援事業費補助金リーフレット|愛知県

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