経営行動計画書のおすすめのテンプレート3選!メリットと記載事項を解説

経営行動計画書のおすすめのテンプレート3選!メリットと記載事項を解説

経営行動計画書は企業が現時点での経営状況や課題などを洗い出し、それを踏まえてどのような経営を推進するかをまとめた資料です。
社内で従業員に展開することもありますが、金融機関から融資を受けたりコロナ借換保証へ申し込みしたりする際にも利用します。

所定のテンプレートが存在する資料ではないため、どのように作成すればよいか悩むことがあるでしょう。
今回は役割やメリットを踏まえて、作成時に利用したいテンプレートを紹介します。

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経営行動計画書とは

経営行動計画書は、コロナ借換保証制度など公的な支援を受ける際に必須となる書類です。経営者が現状を分析し、課題などの洗い出しから、それをどのように解決するかなどをまとめています。

また、財務分析やアクションプランなど数字を多く含めた資料でもあります。
記載されている数値から、課題の解決方法やその計画が現実的であるかなどを評価するためにも利用されるものです。

経営行動計画書の役割

経営行動計画書の役割について2つの観点から解説します。

経営行動計画書の役割
  • 方向性の明確化
  • 融資や補助金を受ける際の事前準備

方向性の明確化

経営行動計画書を作成しておくことで、経営者がどのような考えを持っているか方向性を明確にできます。
経営陣が設定した目標やビジョンが示された資料であり、どのような考えに基づいているのか一目瞭然です。

加えて、具体的な行動計画にも落とし込まれているため、目標やビジョンの達成に向けてどのような行動をとるのかについても資料から把握しやすくなっています。
頭の中で考えるだけではなく、資料として落とし込むことによって、整理されたり、より具体的になったりすることが特徴です。

また、従業員が閲覧できる資料としておくことで、従業員が内容を参照して経営者の考えを把握できます。
従業員と経営者が直接関わることが難しい環境でも、経営行動計画書があれば、同じ方向性を持って働いてもらうことが可能です。

融資や補助金を受ける際の事前準備

金融機関から融資を受けたり国や地方公共団体が提供する補助金などの制度を利用する際の事前準備という役割があります。
例えば、借換保証制度(コロナ借換保証)を申し込みする際は経営行動計画書の提出が必要です。
現時点では利用する予定がなくても、急に申請が必要になるケースは考えられるため、事前に準備しておいて損はありません。

逆に、経営行動計画書を前もって準備していないと、申請する際に急いで作成することになるでしょう。
内容は吟味して作成しなければなりませんが、短時間になると、どうしても十分な時間が取れなくなってしまいます。
そのような状況を回避するためにも、余裕を持って作成しておくべきです。

経営行動計画書を作成しておくメリット

行動計画書を作成しておくメリットについて4つの観点から解説します。

経営行動計画書の役割
  • 戦略や方向性を共有できる
  • 業績の向上につなげられる
  • リスク対策を講じられる
  • モチベーション管理に活用できる

戦略や方向性を共有できる

経営行動計画書を作成しておくことで、従業員や外部に対して戦略や方向性を共有できます。
特に従業員に対して、企業の戦略的な方向性を共有できることは、大きなメリットです。
事前に作成したものを展開することで、各部署や個人がそれぞれ何をすべきかが明確になり、全社的に一貫した行動を促せるようになります。

ただし、経営行動計画書は、部門や部署ごとに細かな行動プランを記述したものではありません。
あくまでも全社的な方針を示すものです。そのため、戦略や方向性を踏まえて具体的にどのような行動をとるかは、管理職などが検討し展開する必要があります。

業績の向上につなげられる

具体的な行動計画を設定することにより、達成すべき目標を明確にできます。
また、それに向けて効果的な行動がとれるようになるため、業績の向上に繋がることがメリットです。
特に計画書には「やるべきこと」「期日」「目標値」が定められているため、期日を意識した行動により、計画に沿った業績の向上が期待できます。

注意点として、上記と同様に全社的な戦略や方向性であるため、業績向上に向けた具体的な行動は個々がブレークダウンすべきです。
例えば、部門ごとに売り上げの目標値が定められているならば、それぞれの担当者がどの程度の売り上げを担当するか別途振り分ける作業が求められます。

リスク対策を講じられる

経営行動計画書には、リスク管理の方法も含まれています。
事前に潜在的なリスクを洗い出すため、適切な対応策を講じることが可能です。
リスクが顕在化してから対応すると、常に遅れがちですが、潜在的なリスクを洗い出しておけば、事前に対応することが可能です。

もちろん、すべてのリスクを洗い出すことは難しいため、経営行動計画書を作成しても予測できない事態が発生する可能性はあります。
しかし、可能な限り対策を講じておけば、企業の安定性が高まるというメリットを生み出します。

モチベーション管理に活用できる

全社的に明確な目標と計画が示されるため、従業員のモチベーションを高めやすくなります。
目標や計画を達成するために、それぞれがどのような役割を果たすべきかが明確になり、自信を持って業務に取り組めるからです。
例えば、製品の開発を任されれば、会社から信頼されていると感じ、モチベーションが高まるでしょう。
また、大きなプロジェクトを任されれば、これも同様に、信頼されていると感じるはずです。

ただ、目標や計画がプレッシャーとなることもあります。
例えば大きなプロジェクトを任せることによって、精神的に負担が増えてしまうかもしれません。
これでは結果としてモチベーションが下がることになりかねないでしょう。
経営行動計画書に基づきつつも、従業員個々の計画は別に考えることが重要です。

経営行動計画書の主な記載事項

行動計画書には、決まったフォーマットが存在しません。
そのため、一般的に記載すべき主な事項を解説します。

事業者名等

経営行動計画書は外部に提出する可能性がある資料です。
そのため、どこが作成した資料であるか明確にするために、会社の概要を記載することが一般的です。

  • 住所
  • 法人名や個人事業主名
  • 創業日や資本金

自社の実態に即して記載すれば差し支えないため、テンプレートに沿って記載するようにしましょう。

現状認識

計画を立てるためには、現状を正しく認識することが重要です。
自社が展開している事業の概要はもちろん、それを取り巻く外部環境についても、分析するようにしましょう。
自社の強みと弱みを明確にすることで、これからどのような計画で事業を展開していけば良いのかを考えやすくなります。

特に弱みの部分に注目して、どのような課題を抱えているのか明確にしておくと良いでしょう。
加えて、経営状況や財務状況についても洗い出しておくことが重要です。
例えば、売り上げが右肩上がりであり、事業拡大を目指していることもあれば、売り上げが増えているにもかかわらず、利益は下がっていることもあるでしょう。
また、大規模な設備投資によって財務状況が悪化しているケースも考えられます。
現状認識は楽観視せず、可能な限り現状を直視して、課題があるならば詳細に記載しておくべきです。

財務分析

現状認識の一環ともいえますが、財務分析を詳細に進めることが大切です。
特に、感覚的な内容ではなく、数字を利用して具体的に分析しなければなりません。
例えば、具体的に売上が何%増加したのかや、営業利益が何%増加したのかなどです。
また、法人の場合は、自己資本比率を算出するなど、安全性の観点からも評価しなければなりません。

計画終了時点における将来目標

現状分析を踏まえ計画を立て、将来的にどのような企業になりたいのかという目標を立てます。
この目標に向かって、事業を続けていくため、経営行動計画書の柱と表現しても過言ではないでしょう。

将来目標ではありますが、あまりに理想的なものを掲げすぎると、達成できずに終わってしまう可能性が高まります。
そのため、現実的な内容を設定することが望ましいでしょう。
例えば、売り上げを10倍にするや100倍にするという目標は達成が難しいと考えられ、2倍や3倍が現実的だと考えられます。

もちろん業界や業種によって実現できる内容は変化するため、現実的な内容であれば差し支えありません。
また現状が赤字ならば、黒字化を将来目標の軸として記載を進めます。

具体的なアクションプラン

具体的なアクションプランでは、現状認識の課題について具体的な取り組みを示すことが求められます。
基本的に、現状の取り組みで、効果が出ているものはそのまま継続してよいでしょう。
逆に、現状の取り組みで課題となっている部分は意識的に注力して改善していかなければなりません。
全体としてどのような取り組みを計画し、評価指標としてどのような数値を利用できるのか検討してみましょう。
また、この先5年程度で指標とした数値をどのように改善していくかも示すことが重要です。
目標値を設定し、その過程を継続的に評価しなければ、取り組み内容が良いものであるかどうか評価できません。

収支計画及び返済計画

最後に、収支計画や返済計画についても洗い出しておきましょう。
特に現金の動きは見落とされやすい部分ですが重要です。
帳簿では黒字になっていても、現金が不足して不渡りが出てしまうと、黒字倒産になりかねません。
売上高や利益、そして借入金の返済額などを踏まえて、現金がどの程度増減するのか確認しておきましょう。

また、アクションプランの中に新しい設備の購入や、それを活用したものを含めるならば、大規模な減価償却費が計上される可能性があります。
そのような部分も考慮して、現金や利益が確保できる計画であるのかどうかなども実際に計算してみることが大切です。

おすすめの経営行動計画書のテンプレート

経営行動計画書を作成する際に活用できるテンプレートを紹介します。

F&M Club

引用:F&M Club

F&M Clubの経営行動計画書テンプレートは、登録不要で無料ダウンロード可能です。

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累計38,000社以上の中小企業のバックオフィス業務を支援した実績をもつF&M Clubが提供するテンプレートであるため、安心して活用できるでしょう。

また、F&M Clubでは、豊富な補助金申請支援実績などから得た“本当に役立つ”経営ノウハウ、資金繰り改善、補助金や助成金申請のサポートなどが、月額30,000円(税抜)で使い放題です。

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中小企業庁

引用:中小企業庁

中小企業庁は、中小規模の企業が事業活動を円滑に進めるため、幅広い支援を実施する経済産業省が管轄する組織です。

コロナ借換保証の手続きにも関与するなど、資金繰りの支援などにも大きく関わっています。

そのような組織であることから多くのテンプレートが用意されていて、その中に経営行動計画書も含まれています。

bizocean

引用:bizocean

bizoceanは、幅広いテンプレートをダウンロードできるWebサービスです。

経営行動計画書のみならず、補助金の申請に利用できる各種テンプレートや日頃の業務で活用できるものも掲載されています。

経営に役立つ資料などもダウンロードできるため、何かしら困った際は参照すると良いでしょう。

まとめ

経営行動計画書の概要と、作成しておくメリットについて解説しました。
従業員に展開するだけではなく、金融機関から融資を受けたり、借換保証制度(コロナ借換保証)などの制度を活用したりする際にも提出します。
現時点で何かしらの制度を利用する予定がなくとも、事前に作成しておいて損があるものではないため、この機会に作成してみましょう。

行動計画書には、決まりきった書式がなく、今回紹介したテンプレートを活用するようにしてみてください。
それぞれの項目で記載すべき内容についても概要を述べているため、参考にしながら、実際に作成してみることをおすすめします。